要約とレビュー|榎本博明著『その英語が子どもをダメにする』の評判~早期教育は意味がない?効果より弊害とデメリット大?

こんにちは!すみれママ(@Sumire_Mum)です。

今回は、英語教育について書かれた書籍

榎本博明著『その「英語」が子どもをダメにする』(青春出版社)

の要約・感想・レビューをお届けします。

間違いだらけの早期教育 その「英語が子どもをダメにする」榎本博明

(画像出典)amazon.co.jp

この本は、心理学博士の榎本氏が、英会話偏重の英語早期教育に警鐘を鳴らしている本です。

このブログ記事は、

  • 榎本博明著『その「英語」が子どもをダメにする』の内容を知りたい人
  • 英語の早期教育に関心がある人
  • 幼児期・児童期に「取り組んだ方がいいこと」「やらない方がいいこと」を知りたい人

に役立つ内容になっています。

※要約は、私すみれママの解釈によるものであることをご了承ください。簡潔に記すため原書中に登場しない言葉で表現している場合があります。また、わかりやすく説明するため、章内で要約文章を前後させている場合があります。

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4 書籍の要約




著者の紹介

榎本 博明(えのもと・ひろあき)

榎本博明氏

(画像出典)週プレNEWS

  • 心理学博士
  • 東京都生まれ、東京大学教育学部教育心理学科卒業
  • 東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退
  • 1994年「自己開示に関する心理学的研究」で東京都立大学博士
  • カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授を経て、現在MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師

書籍の概要

  • 出版社:青春出版社
  • 発売日:2017/9/2
  • ページ数:208ページ
  • サイズ:新書

書籍の要点~英会話偏重の英語早期教育に反対し、その弊害を説く~

榎本博明著『その「英語」が子どもをダメにする』の要点は次の通りです

  • 母語(日本語)を習得してから、外国語を勉強するべき
  • 母語(日本語)に習熟することが、思考力の基礎になり、総合的学力アップやメンタル安定につながる
  • 目的意識があればビジネス英語は半年で習得可能。AIが発達しているし、ビジネスでも英会話より思考力が大事。
  • 幼児期・児童期のゲーム・スマホの利用は、非常に問題が大きい
  • 幼児期・児童期は、英会話よりも、リアルな自然体験、友達と遊ぶ体験、読書体験が大切

書籍の要約

榎本博明著「その「英語」が子どもをダメにする」の要約です。この要約は約13分で読めます。

 

序章 早くから英会話を学んでも、英語力は上がらない、という新事実

英会話の偏重は思考力低下につながり、幼児期・児童期は母語をまず習得した方が総合的能力が向上します。

 

英語早期教育に多くの人が賛成

英語教育を早期に始めることに、賛成する人が増えています。

<データ:朝日新聞意識調査>

小学校での英語教育 賛成 反対
2006年 38% 52%
2013年 59% 41%

→賛成が増え、反対が減っている

 

<データ:インターネットで全国20~60代男女1000人に調査> ※日経新聞電子版 2016/2/14

英語教育の開始時期を早めることに対し
賛成:77.9% 反対:22.1%

※特に30代女性は賛成が90%

→賛成が圧倒的に多い

 

会話中心の英語教育で英語力低下

しかし、1993年以降、英語教育が読解・文法から会話中心になったことにより、中学生の英語力が低下しています。

<データ:横浜国立大学・斉田智里教授の調査> ※和歌山大学江利川春雄研究室ブログより

公立高校入試問題について、20万人のデータを対象に、英語学力の経年変化を調査

→1995~2008年の14年間、毎年英語学力が低下し、偏差値で7.4低下している

<データ:学力調査>朝日新聞2016/11/9

  • 中学生の約2割は、教科書の文章の主語と目的語が何かという基礎的読解ができていない
  • 中学生の約5割は教科書の内容を読み取れていない

 

英語よりまず母語の習得が大切

英語教育・認知心理学・バイリンガル教育の専門家は「母語を習得してからの方が、外国語学習を効果的にできる」と言っています。

言語は思考の道具であり、ものを考えるのには母語が必要です。

文字でも英会話でも、早期に教育をすれば早期に習得できますが、そうすることに意味はあるのでしょうか。

幼少期には、発達させるべき能力が別にあるのではないでしょうか。

企業は利潤追及のため即戦力を求めますが、個人にとっては長期的視野で能力を高めることが重要です。

母語を軽視すると、「英会話が多少できても、思考力と教養が不足した知的水準の低い人物」が育ってしまいます。

 

AIで英会話学習は必要なくなる

AI・自動翻訳機の発達によって、英会話の学習をする意味がなくなると予想されています。

<データ:オックスフォード大学の研究グループの予測(2013年)>

10~20年後にアメリカの雇用者が従事している仕事の47%が機械に取って代わられると予測

<野村総合研究所とオックスフォード大学研究者との共同研究>

日本国内601の職業について、10~20年後には日本の労働人口の約49%が就いている職業が、AIやロボットで代替可能にと予測

IQ(知能指数)的なことはAIにより代替されるので、これから必要になるのは

  • 予測できない変化に対応する力
  • 自分の感情や行動をコントロールする力
  • 自主性

など、心の知能指数「EQ(Emotional Intelligence Quotient)」に相当する、AIが苦手とする能力です。

 

第1章 「英語」ができても頭が悪い子の共通点

「会話のための言葉」と「知的活動のための言葉」は異なり、後者を鍛えないと総合的能力は向上しません。

 

会話ができても中身がなければNG

親が「英会話ができること」は「知的でカッコイイ」と勘違いしていないでしょうか?

多くの日本人が、英語・アメリカ・白人に無意識下でコンプレックスを持っていますが、そのために子どもの教育という重大事項で誤った判断をしてはいけません。

英語を使う際に必要なのは、話す中身を充実させることであり、そのために文化教養的内容や学問内容を理解し、吸収することが大事なのです。

ところが、英会話の習得に時間をかけることで、中身に時間をかけることができなくなります。

実用英会話は、頭の鍛錬・知的冒険としての「訳読」を軽視しています。

言語が実用会話だけに留まり、思考の道具になっていないと、思考力が乏しいことになってしまいます。

日本語力を豊かにし、日本語で知的冒険をし、知的世界を自分の中につくっていくことが大事なのです。

 

日本人が外国人と喋れない理由

日本人が外国人と喋るのが苦手なのは、英語力不足のせいだけではありません。

心理学では「発達期待」という概念があり、アメリカ人の子どもたちは「自信をもって自己主張をする子に育ってほしい」という発達期待があり、そのように育ちます。

日本人の子どもたちには「思いやりのある、協調性のある子に育ってほしい」という発達期待があり、そのように育ちます。

それゆえに、日本人が外国人と喋るのが苦手なのは、語学力ではなく文化的要因によるものなのです。

 

「会話」と「知的活動」は違う

会話のための言葉と、知的活動のための言葉は違います。

言語学者のジョン・ギボンズと、バイリンガル教育者のジム・カミンズ、発達学者の岡本夏木は、次のように区別します。

ジョン・ギボンズ ジム・カミンズ 岡本夏木
日常言語 一次的言葉(具体的、話し言葉) 遊び場言語 日常会話能力
知的活動のための言語 二次的言葉(抽象的、書き言葉) 教室言語 学習言語能力

外国人と簡単な日常英会話ができても、言語を抽象的思考の道具として駆使できないと、勉強・仕事で将来展望が描くことはできません。




第2章 伸びる子ほど、英語力より日本語力!

日本語は「翻訳」によって異文化を取り込んできており、複眼的で柔軟な日本語文化が、日本人の学力を世界トップレベルにしているといえます。

 

幼児期・児童期に国語力の基礎を

母語の基礎力は、次の年齢までに形成されます。

  • 会話能力:9歳頃まで
  • 読解力:12歳頃まで

幼稚園から小学校までの時期は、国語力の基礎が形成される大事な時期。

日本語の語彙力・読解力が不足すると、国語の勉強もできないし、他の教科の授業も十分理解できません。

<データ:2004年メディア教育開発センターによる日本語語彙力調査>

(対象:19大学・6短大・1国立高等専門学校の計26校の新入生)

国立大の6%、私立大の19%、短大の35%が中3レベル以下の語彙力

実用英会話などハウツー教育に力を入れることで、英文和訳など知的鍛錬の機会が減り、知的発達が滞ってしまいます。

 

中韓は英語重視で国語力低下

中国では英語重視の弊害で国語力低下が問題化し、英語重視から国語重視に転換しています。

2013年度には北京の複数の一流大学が、一部の入試から英語を外しました。

韓国では、1990年代に小学校英語教育を導入しましたが、国語力低下が問題化しています。

 

<データ:韓国の全国中学3年生の学習達成度テスト結果の推移>朝鮮日報2008年7月13日

  2004年 2006年
英語が優秀と評価された生徒比率 18.6% 20.5%
国語が優秀と評価された生徒比率 14.1% 11.0%
2005年 2007年
国語の基礎力が不足していると評価された生徒比率 4.4% 7.4%

→英語力は伸びているが、国語力は衰退している

 

日本語で教育・研究ができる日本

日本の成人の学力は世界トップレベルで、階層差が最も少なく、公教育が最も成功している国と言えます。

<データ:OECD「国際成人力調査」> ※(2012年 16~65歳、24ヶ国・地域)

読解力 数的思考力 IT問題解決能力
日本 1位 1位 10位
アメリカ 16位 21位 14位
イギリス 13位 17位 9位

科学分野のノーベル賞受賞者が日本から続出しているのは、日本語が「翻訳」を通じ、古くは中国やオランダから、近代以降は欧米から学問・文化を「日本語」の中に取り込んできたから。

そのおかげで、日本人は日本語で科学教育・科学研究をすることができています。

一方、インド・フィリピン・インドネシア等は英語で科学教育・科学研究をしています。

日本の科学が世界をリードしているのは、幼い頃から日常の思考の道具である母語(日本語)で、科学教育・科学研究をできているからなのです。

 

多様な見方を受け入れる日本語

英語が母語の国は、植民地に英語を押し付け、自文化中心の物の見方をしてきました。

日本は「翻訳」によって世界のさまざまな文化を取り入れてきたので、多様な物の見方ができるのです。

こうしたことが日本人の学力の高さにつながっているのではないでしょうか。

日本語は中間的回答、英語は断定的回答が多くなります。

日本人は優柔不断だと否定的に見られることがありますが、あらゆる角度から複眼的に物事を見られる、柔軟な思考力があるという長所ともいえるでしょう。

幼児期・児童期には、思考の道具である日本語の力を付けることが重要です。

日本人の国際テスト成績のよさを見ると、自己主張を重視するアメリカ式教育より、人の話を理解することを重視する日本式教育の方が、知的発達を促進するといえるでしょう。

 

第3章 世界で活躍する日本人が英語より重視していたこと

母語の習得は、外国語の習得においても重要です。また、母語の習得が不十分だと、感情コントロールがうまくできず、メンタルや行動に問題が起こるおそれがあります。

 

学習言語力は母語習熟度で決まる

小学校で英語を習う意味はほとんどありません。

英語教育学者・白畑知彦は、国際理解教育研究開発指定校(小学校)で3年間英語学習をした群と、それ以外の群で比較調査を行いましたが、統計的に有意な差はありませんでした。(『英語教育』2001年10月増刊号)

英語早期教育を推進する根拠として、発音の臨界期ということが言われますが、LとRの発音を区別することよりも、思考力・知的発達の方が重要です。

英会話(発音・リスニング)ばかりでは、言語能力が鍛えられません。

文法学習や訳読が、言語能力を鍛えて知的発達を促す勉強なので、受験や学校教育で英会話を偏重すると、知的発達を促す教育が犠牲になってしまいます。

トロント大学のジム・カミンズ教授と名古屋外国語大学の中島和子教授は、トロント在住の日本人小学生59名に対し調査を行いました。

その結果、

  • 母語の読み書き能力を身につけてカナダに移住した子ども→高い英語読み書き能力を身につける
  • 母語を身につける前にカナダに移住した子ども→英語の発音はすぐに習得するが、読み書き能力がなかなか身につかない

ということがわかりました。

カミンズは、「子どもの第二言語能力は、第一言語能力によって決まる」という結論を出しています。

日常会話力と学習言語力を区別することが大切です。会話だけできても、教科学習などの知的活動をスムーズに行うことはできません。学習言語力は、母語の習得が大きく影響します。

母語をきちんと使える年齢になってからの方が、外国語を高度に習得することができるのです。

 

母語が未熟だとメンタルに問題が

個人の内面で起こっている心理現象も、言語に基づいています。

私たちは言語によって考え、感じ、行動しているのです。

1つの言語で物事を考え続けることによって、内面の思考がその言語で行われます。

例えば、怒りの感情を鎮めようとする内省(感情コントロール)も言語による思考によって行われます。

よって、母語に支障が出ると、思考・感情・行動面にも問題が出る恐れがあります。

 

ビジネス英語は半年で習得可

ビジネス英語なら、用語も限られており、必要に迫らられれば半年で習得できるものです。

あの孫正義氏の英語も、日本語訛りがあり、言葉を区切ってゆっくり喋っているそうです。

ビジネス英語で大事なのは、流暢さより、話す中身の説得力や、言語抜きで伝わってくる迫力なのです。

イチローも錦織圭も渡米してから英語をマスターしました。必要に迫られて、強い目的意識を持てば、最低限の英会話は習得することができます。

子ども時代には英会話よりしなければいけないことがたくさんあるはず。

将来どんな人生を歩もうと、きちんとものを考えることができる言語能力を鍛えておくことが大切といえるでしょう。




第4章 これからの時代、英語が流暢な人ほど仕事に困る!?

企業は学生にそれほど英語力を求めていません。また、ネイティブ並みの流暢さより中身が重要です。

 

企業は語学以外の力を重視

経産省の2010年の調査によると、企業は、学生に不足している能力要素として

  • 1位:主体性(20.4%)
  • 2位:コミュニケーション力(19.0%)
  • 3位:粘り強さ(15.3%)

を挙げています。語学力は13位でした。

経済同友会の2016年の調査によると、在学中のどのような学びを重視しているかについて

  • 1位:学外での社会活動・経験(71.7%)
  • 2位:基礎的な教育(68.2%)
  • 3位:専門教育・研究(16.2%)

を挙げています。語学を挙げた企業はごくわずかでした(1.2%)

 

ビジネス英語はノンネイティブ

イギリスの言語学者デイヴィッド・グラッドルは、「2050年には、英語派いくつかある国際語の1つに過ぎなくなる」と予測しています。

EUは多言語主義の立場をとり、通訳者・翻訳者を用意して、誰もが母語で議論できるようにしています。

対等に交渉するには、通訳を立てて、お互い母語で主張できるようにするべきであり、自動翻訳・自動通訳の技術も発達してきています。

ビジネスで使われている英語の大部分はノンネイティブ英語なので、日本語訛りを気にしすぎる必要はありません。流暢さより、有益な内容を喋ることの方が重要です。

インドは英語ができる人が多いので、英語圏からデータ入力や電話対応の下請け業務が回ってきます。フィリピンの人は海外へ出稼ぎに行きます。

日本人は、アジア人であり有色人種です。日本人は、英語ができるようになった自分たちの行く末を、どのように予測しているのでしょうか。

 

第5章 AI時代、子どもに真に求められる能力とは?

小学校への英語導入や、教育産業の宣伝により、親たちの英語熱が高まっていますが、子どもビジネスに煽られてはいけません。

 

リアルな実体験が大切

英会話の学習より、子ども時代にはリアルな実体験を積むことが大事です。

幼年時代には自然の中で思いきり遊ぶことが大切です。

自然体験により自発性が身につき、言語や概念を実体験に理解できるようになり、言語能力や感性が磨かれます

人間関係を豊富に経験することも大切です。

人の気持ちに対する共感力や洞察力が身につき、それが対人関係だけでなく文章の意味の読解力にもつながっていくのです。

子どもたちの生活体験・自然体験を豊かにすることは、感動する心・待つ心を育て、発想の源になります。

 

AIで代替できない「EQ」のために

今後の社会では、次のようなAIで代替できない力を鍛えることが大事になってきます。

  • 対面コミュニケーション力
  • 発想力
  • 創造力
  • 総合的判断力
  • 視野の広さ
  • 直観力
  • 共感力

日本人が強みを発揮できるのは「おもてなしの心」、つまり共感・気配り・思いやりです。

これらは、相手の視点に想像力を働かせながら言葉を使うという、文化に根ざした心の習慣であり、日本的人間関係と日本語を通して培われます。

  • AI時代において強みをつくる
  • EQの土台を築く
  • 思考の道具としての学習言語力を高める

ためにも日本語を習熟させることが重要です。

最近の教育現場では、自分の考えを述べることが協調されている。あまり早くに自分の意見に凝り固まってしまうと視野の狭い人間になってしまいます。

小中学生のうちは、いろいろな世界・考えに触れて、多様な視点を取り込んでいくことが大切。

自分の意見はその後に、現実の状況に巻き込まれているうちに形をとっていくものです。

 

自己コントロール力を高めるには

EQとは、自分の感情を理解しコントロールする+他人の感情を理解しそれに対応する能力です。

EQを高めるには、自己コントロールを高めることが不可欠です。

自己コントロール力を高めるには、以下のことが必要です。

  • 親と子どもがじっくり関わり、愛着の絆(アタッチメント)を形成する
  • 幼児期・児童期に友達との関わりを十分に経験する
  • 幼児期・児童期に思いきり遊ぶ

これらを通じて、自分の感情をコントロールする力、相手の気持ちに共感する力、1つのことに没頭する集中力を身につけることができます。

 

スマホ・ゲームは問題あり

東北大学加齢医学研究所・川島隆太教授、横田晋務助教たちの研究グループは、5~18歳の子どもや若者を対象に、3年間の間隔を空けて脳の画像を撮影・知能測定を行い、ゲームをする時間が脳の形や認知機能に与える影響について検討しました。

その結果、以下のことがわかりました。

  • ゲームをする時間が長いほど、語彙力や言語的推理力に関連する言語性知能が低い
  • ゲームをする時間が長い子どもの脳は、脳内の各組織の発達に遅れが見られる
  • ゲームをする時間が長い場合、記憶や自己コントロール、やる気などを司る脳の領域における細胞の密度が低く、発達が阻害されている

ゲームはIQにもEQにもその発達を阻害するといえます。

川島と横田の研究グループは、小5~中3を対象に、スマホの使用時間と学業成績の関係についても調査しています。

その結果、「スマホの使用時間が長いほど成績が悪い」ことがわかりました。

ラインなどをやっていると、机に向かっても頻繁にメッセージが来て集中力が切れてしまいます。

子どもの学力低下を防ぐためには、幼い頃からスマホ利用が習慣化しないような配慮が必要です。

 

読み聞かせ・読書習慣が効果的

言語力と思考力を向上させるには、幼少時は読み聞かせ、1人で読めるようになったら読書習慣が効果的です。

子どもの中に言葉が蓄積され、概念ができあがり、それによって思考できるようになります。

子どもの教育には「モデリング(真似すること)」が有効です。

早くから英会話を習わせるより、親が本を読むこと、スマホばかりいじらないことが、子どもの学力低下を防ぐのに効果があるでしょう。




すみれママの感想

榎本博明著『その「英語」が子どもをダメにする』を読んで、私がよかったと思った点と、イマイチと思った点を紹介します。

 

よかった点

「母語(日本語)を習得してから、外国語を勉強した方がいい」という意見には賛成です。

母語を確立することは、思考力の基礎になるから、外国語より母語の習得が優先するということにも同意です。

人間は言語によって内省(reflect)しますし、複雑な感情を表現できるだけの語彙力があると、自分の考えを的確に把握することができるので、メンタルの安定につながります。また、他人に自分のキモチを伝えることができ、人間関係が安定します。

(感情が爆発しがちな人は、語彙力を獲得して感情を言語化できるようになることで、爆発を抑え自己コントロールができるようになります)

英語ができるようになることよりも、メンタルや人間関係の安定の方が大切なので、子どもへの英語学習も、日本語をおろそかにしないことが前提になりますね。

また、著者が指摘する「幼児期・児童期のゲーム・スマホの利用の問題」は、示唆に富むものだと思いました。ゲーム・スマホ・SNSは依存性がとても高いので、子どもに無制限に使わせることは、悪影響が大きいと私も考えています。

著者がいうとおり、幼児期・児童期は、リアルな自然体験・友達と遊ぶ体験・読書体験を大切にして、母語の習得を優先させ、そのうえでの英語教育だと私も思います。

 

イマイチだった点

見出しやキャッチコピーが「煽りすぎ」というか、大げさというか・・・

「ものを考えない若者が増えた韓国」という見出しとか、単純化しすぎじゃない?と思いました。

タイトルからして『その「英語」が子どもをダメにする』となっていますが・・・

本書は英語教育や早期教育を批判しているというより、「英会話偏重教育」と「母語より英語を優先させる早期教育」を問題視しているのであって、このタイトル、ちょっと煽り入ってるよな~と思いました。

それに、「日本語を使うことが、日本人の頭のよさにつながっている」というのは、飛躍が過ぎるのではないでしょうか。

統計上日本人の学力が高いのは、日本語の特性というより、公教育の質の高さや、高度経済成長期以降、各国と比較して国内経済格差が少なかったことなどが影響しているように思います。(近年は急速に国内経済格差が拡大していますが)

ノーベル賞受賞者・益川敏英氏の例を引いて「日本語しかできない人もノーベル賞を取っているということからしても、日本語を使うことが頭の良さを生んでいる可能性が高いといえます」というのは、これもまた飛躍しすぎだと思いました。

 

読者の評判とレビュー

榎本博明著『その「英語」が子どもをダメにする』を読んだ皆さんの感想を、Amazonレビューから2件紹介します。

★★★★★ 「早いうちに英会話を習わせた方が…」とお考えの方に、まず読んでいただきたい1冊

昨今の「早期英語教育」ブームに対し、漠然と疑問を抱いていたが、本書を読んで自分の中のモヤモヤが解消された。「会話だけ上手で、話の中身がない」子にしないように、母国語である日本語教育に力を入れようと改めて思った。

(amazon.co.jpより)

★★★★ 示唆に富む、でもタイトルは・・・

加熱する英語教育、及びその早期化に警鐘を鳴らすこの本。内容には納得するところが多く、読みごたえがありました。

英会話ができたって頭が悪いヤツはいる。大切なのは母国語の確実な習得とその運用から得られる論理的思考だという論点には賛同します。

でもこのタイトルってちょっと違うんじゃないかなと。本書の意図を正確に伝えてないように思いました。

(amazon.co.jpより)

 

まとめ

榎本博明著『その「英語」が子どもをダメにする』は、心理学博士である著者が、英会話偏重の英語早期教育に警鐘を鳴らしている本です。

著者は、英語を効果的に学ぶためにも、総合的学力やEQを向上させるためにも、まず母語(日本語)を習得することが大切だと強く主張します。

さらに、幼児期・児童期は、ゲームやスマホの利用に気をつけて、リアルな自然体験・友達と遊ぶ体験・読書体験をたくさんさせることが、EQの向上につながると説いています。

子どもの教育を考えるうえで役立つ内容でしたが、文章やキャッチコピーが大げさだったり、日本語という言語を過大評価している点があるかなあ、と思いました。

以上、この記事がお役に立ちましたら幸いです。

 

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